2008/11/02

男より男らしいゲイって。

ミナミで取材2軒。
ジュニアくんのミューズと、まーくんのゴールデンボール。
音で言えば、一方はジャズの流れるカリブな店、
もう一方は歌謡曲のピンクなゲイバーと
立て続けに回るにはあまりに真逆なバーふたつ。
しかし同じように普段回遊している店でもある。

ミューズは忙しそうだったために、
撮影が終わってほんの少し飲んで店を出た。
カメラのエレファントタカ曰く
「今日は朝からどうやって撮ったらいいのかずっと悩んでる」との
ゴールデンボールにそそくさと向かう。
タカさんは自称・下戸。
酔っ払った姿は見たことがない、というか
いつも飲んでも1杯か2杯でやめてしまうので
その自己評価が正しいかどうかは知らない。
店の取材はしても、外で飲んでいる姿は想像できず。
だからゴールデンボールに対して
「あれから(いっしょに取材に行ってから)、
何回か来たんですよ」と言われたときにびっくりした。
店はあまたあれど、よりによってゴールデンボールか。

ミナミの中でもギョーカイ人率ナンバーワン、
元アイドルや芸人の姿もチラホラのこの店、
ミナミの輩も「や」の付く職業の人も姿を見せる。
黒い壁には龍のイラストがデカデカと、
カウンターを飾るのはいかがわしきグッズたち。
そこを仕切っているのはゲイでピンクのトサカのまーくん、
飲めるのはお世辞にもバーテンダーの作るおいしい酒とは言えず、
だから私はいつもそこでハイネケンの缶をいただく。
“酒場慣れ”していない人にはたぶんキッツイ店。
よりによって…の気持ちはラクに察することができるだろう。
私もミーツで働かなければ行かなかったと思う。
私らミナミの界隈生息人にとってはまーくんは母親的存在。
「男より男らしい」とかいう頭がこんがらがりそうな
チグハグな評価をする人も多い。
私もそれを提唱するひとりで、
あとはそろそろ還暦のジミーちゃんやポポさんやら、みんなそう言う。

ヒントをあげようと、たぶんそういう話を書くよと言うと、
「いやね、まーくんて、懐が深いんですよね」とタカさん。
続けて「だからヘンな客に来てもらわれてもイヤだし、
かといって元気のない写真もまーくんらしくないし…」
と道中から延々と悩み続ける。
店に入って準備をしながら、またも悩み始めるタカさん、
「全然降りてこないんです…」と悲しそうに言いながら
ついにはカウンターに座ってビールを飲み始めてしまった。
しばし歓談。
あーでもない、こーでもないと言いながら、
冗談のつもりで「ピンクレディ踊ったら?」と言ったら
「あ、それいいですねぇ」と盛り上がって、
ようやくアングルが決定した。
よかったよかった。
夢中になって撮る姿を、知っている人ならば想像できるだろう。
どこまで近づくねんてくらいまーくんに近寄り、
まーくんもそれに応えて夢中で踊り、
周囲の客はいっしょに踊ったり手を叩いて笑ったり、
そんな写真が撮れた。
「やっと降りてきました」とニコニコのタカさん、
「これ、表紙にしてほしいですね」といつもの厚かましい口調も戻り、
もう終電を過ぎてしまって高槻に帰れないというのに
ビールをさらにもうひとつ飲んでいた。

そういえばその後にニコに行けば
常日頃からふつふつと血を煮えたぎらせている
アッツき男・まっちゃんの送別会をやっていて、
シュンゴ兄ちゃんやらスタイリストの沢田さんにも会って、
ワキアイアイと飲んでしまいました。
ミューズに戻り、最後はHBH。
昨日もよう飲みました。
今日はアングリーアイと久しぶりの会談。
明日はキミヒコ先生とニコ取材。
いやー、水をえたサカナのように…とはここ最近の私のことですかな。

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