2008/11/28

朝日に感動したので。

高知に到着した晩、つまり水曜日の深夜なんだけど、
そのときは霧が濃かった。
「明日はええ天気やね」と父親は言っていたけど雨。
父親曰く、雪と雨の中間の雨だったそうで、
そういえば高知とは言え山間部の寒さはきつい。
雲というよりも霧の中の雨というほうが正しく、
真っ白な空気の中での生活。

夜はさらに冷えて水蒸気は全て霧となる。
昨晩の空は晴れ。
深夜の暮れ、ひとりデッキに出てタバコを吸いながら
「寒い、寒い」とカラダを縮こまらせる。
家の周りには山と川以外に何も見えない。
しーんとする中、川の音だけがザァザァと聞こえ、
目を上に向ければ冬の大三角形が広がる静かな夜。

不意の高松連泊の後、なんとなく帰省をしてみた。
ふじも兄のメールによると、もうミーツは刷り上っているらしい。
アングリーアイからは日曜日の焼肉へのお誘いメール。
大阪に帰りたいけど、この静けさは、やはり。

本日はまた高松、昼から打ち合わせなので早朝に家を出た。
あいにくの雪混じりの雨は続き、
こちら側の上空には雪雲がかかるが
坂の下を臨めば海の上空には青空が見える。
青空の下には薄くボンヤリと太陽のピンク。
普段、朝日を撮り続けている父親もさすがに興奮気味に、
車を走らせながら自然の驚異を語り始める。
10年ほど前、フィリピンで地震があったときには、
空気中のチリに光が乱反射して、朝日がとてもキレイだったという。
それは別としても、山と、すぐ近くに海があって
その全てが開発途上のこの土地ならでは。
ここでしかありえないこの光景は、ちょっとすごい。

2008/11/24

まるで何年も眠ってた気分だぜー(by S.B.B)

何日もただただ眠り続けていた気分で目を覚ましたら、
今日は雨が降っていた。
何かを羽織って過ごし始めていたけれど、
夏の終わりはいつの間にか終わっていたことに
ようやく意識的に気がついた。
残る深みや濃さは全て夢の中でのことのような。
飲んで飲まれての数日は、
後悔になって消えていった昔のことを思い出して
くよくよメソメソとしていたに過ぎない。
時代を超え、時間を超えて全てが色鮮やか、
それは全てを超越する「よくある話」の断片、
全てが示唆的に含まれる物語である。

ツインピークス2周回目が終了。
10巻セットで各巻には3~4話、
考えてみればここんとこ飲みに行く以外は
ほとんどツインピークスにどっぷり。
親友・アングリーアイの重大報告も、
土曜日にジュニアさんに言われて思い出したくらいで。
昼間にした仕事の記憶が全くない。
一応仕事していたんですが。

てなワケで?、今日はコレに溺れます(一応仕事)。
そのあとにたっぷりとラフが残っているのが苦。
つーか、ジュニアさんの引っ張ってくるライブはマジでサイコー。
やっとネタンダーズを見られる、多謝。

2008/11/23

頭ん中が酒くさい。

先週の水曜日はタダ子と天下茶屋のしんみどう、
木曜日は高松トッパンの面々を兆治に案内、
のちにひとりでミューズ、ナマズ、HBH、
金曜日は鶴橋の万正で宴ののち松っちゃんと難波の虎ばん、
土曜日はバスケの人らと居酒屋→カラオケのちに
有志を募ってミューズ(てか私が行きたかっただけ)、
日曜日は松っちゃんとトモちゃんとしんみどう、
月曜日の記憶はすでになく、
火曜日はこないだの日記を参照で、
水曜日は一日を寝ることで潰し、
木曜日はタダ子プレゼンツのしんみどう、
のちにふじも兄とカバサ(飲みごろ、飲まれごろの第一回目参照)、
のちにアングリーアイと合流でニコ、ナマズ、ウサギ、
金曜日はさすがに反省して、
土曜日の昨日も懲りずに深夜からごそごそと街に出た。
まずはミューズで、月曜日のライブの取材のアポを取りつつ、
横に座った和服のナイスミドルの二人に心は釘付け、
変化球だらけの人生公論を伺いラムコークごと心に沁み入った。
「アナタハナニワノデビットリンチデスネ」という
最大の褒め言葉はどちらにも通じなかったけど。
その後、ニコにてイケメン歯科医のイケてないボケに付き合い、
有名ワインバーのマネージャー嬢と知り合い、
チョーシにのってまたも「お店行きます行きます」と宣言してしまった。
律儀な私はきっと足を運ばなければいけない運命、
頭の中では「うむむむ…」と唸っている。
キモチの収拾が一向につかず、
結局またHBHに行ってポヤーと飲んで帰った。
走り始めた南海電車のホームに向かう途中の階段で転んで膝が痛い。
日曜日の今日はさすがに本当に反省している。
飲むことに、というか、頭ん中、アルコール臭。
そこそこで飲むのをやめることはできんのか、
なぜか「帰ること=負けること」という図式が頭から離れない。
そもそも、負けてもいいんだけど。
で、今日はゴーゴーコーヒーのナカジが登場のライブがコントートで。
行くかどうしようか、そうとう悩むとこで。

2008/11/19

モンスペ連打でゴキゲンの海に沈没。

このところ2日に1日はいっしょに飲んでいる松っちゃんからの誘いで、
なんの因果か、仁義なきマグロ居酒屋にて
そこの店主の誕生日を祝ったりした。
参加メンバー。
松っちゃん、ふじも兄、トモちゃん、
麺子ことタダちゃん、ほんで私に、マコ。
それにしんみどうのママ、マスター、娘とママの友だち、
それと仁義なきマグロ居酒屋の常連が数人。
ま、なんでもいいけどゴキゲンなメンバー。
博多仕込みの先輩は来られなかったけど。
(歴史の証人にならなあかん、言うていたのに)
私らはそこで「絶対あかんで、飲んだら」
という松っちゃんの仁王立ちを無視し、
「キレイな色のお酒(c/トモちゃん)」こと
リポビタン味のモンゴルスペシャルを連打、
マグロにはむせび泣きながら沈没した。
いくら払ったかすら覚えていない。
とにかく、ふじも兄が店主のクワタさんに、
次のミーツの巻頭を飾る松っちゃん作の原稿を見せて、
それに感動しきりで本当に涙を流したのがうれしかった。
そんな雑誌で書かせてもらっていることに感謝。

その後、ふじも兄に誘われて、ミューズ、HBH。
そこではあまりにも酔っ払いすぎで何を喋ったのか全く覚えておらず。
途中でシュンゴ先生とケイタくんの、
オトコマエなのにツメのアマい残念なコンビが乱入してきて、
そういえば私はほったらかしでなんやアツい話を語っていた。
(ヘロヘロすぎて参加できずですわ)
ひとつ、親分と兄を会わせてみたいと最後に言ったのは覚えている。
そんな平日。
今日が来る前に、今日の分の仕事を終わらせておいてよかった。


追記
そういえば、昨日のHBHにて、
あまりにも次のミーツのできばえを自慢されまくった。
あ〜〜、早く見たい〜〜〜!
さきほど、校正の確認で博多仕込みの先輩から電話、
(何軒か校正を手伝ったので)
そこでも「めくるのが楽しいっちゃん」と言われて
ますます月末が楽しみになりました。
虎ばんでも宣言した通り、今回、10冊は買って配りまくります。
遠方の方々も、大型書店なら置いているはずなので、
要チェックくだされー。

2008/11/10

世界を止めて。

神様 時間止めて
このままキスさせて

そっと口づけかわして
折れるほど抱きしめて
何度でも君に触れて
いつまでも 夢を見て

秘密にあふれてくこの恋に
二人おぼれてく
誰も知らない 誰も知らない

鼻でキスして笑って
ツメでほほ そっとなでて
白い胸 顔をうずめて
いつまでも君を見て

どうにもならないよこの恋が
君をさらってく
だからひととき ほんのひととき
そうさひととき ほんの少し

神様 時間止めて
このままキスさせて ずっと ずっと
神様 世界止めて
明日を遠くして ずっと ずっと
Oh, baby

遠い空 星が流れ
届かぬ 願い祈って
あてのない約束して
いつまでも夢を見て

どうにかなりそうさこの恋が
君を泣かせてる
だからひととき ほんのひととき
そうさひととき ほんの少し

神様 涙止めて
このまま眠らせて ずっと ずっと
神様 世界止めて
二人を消さないで ずっと ずっと

※世界を止めて/THE COLLECTORS

--

朝にちょっと時間があったので、
タワレコにてアフニカのファーストをやっとこさ購入。
ついでにふらりとコレクターズの新譜を発見いたしやした。
やっぱ「世界を止めて」、ぐっとくる。
これ、大学のときも聴いてたんだよな〜、
歌詞の意味なんかようわからんかったはずよね〜。

んで、ついに禁断のツインピークス全巻購入、
こんなんしてるから金がないってわかっちゃいるけど。

んでもって今から高松日帰り。
うにゃ〜。
大阪で時間を止めてくれ。

2008/11/09

明日から仕事です。

こないだタカさんと取材をいっしょに回りながら、
太田さんの話にとんだ。
太田さんは、こないだの『西の旅』での露口の写真を見て、
「やっぱ、露口は、こうだよね」と言ったとか。
で、しばらくその話が続く。

露口のマスター、露口さんはマジメで、
無駄な話を一切しないで黙々と酒を作る。
写真を撮られるのもきっとあんまり好きじゃないと思う。
いつ行って写真を、とお願いしても、
顔がカチンコチンに強ばり、
「できたら作っている手元だけを撮ってほしい」と言う。
ここは往年のサントリーバーの中でも
多くの酒場ファンに愛される老舗のバー。
50年の年月を一代で、ということでも有名だ。
マジメな店主の横で天真爛漫にもり立てるのは朝子さん。
店主に鬱陶しがられながらも
「あんたの横におりたいのぉ〜」
「ほら、気づかんうちにあんたの近くにおってしもうてるわぁ〜」
とキャッキャッと場の緊張感を和らげる。
そのたびに露口さんは「邪魔やからアッチ行っとき」と言い、
私らはカウンター内での夫婦のやり取りをアテに飲む。
太田さんが「やっぱ、こうだよね」と言った写真には
もうまさしく露口の空気が閉じ込められていたし、
やっぱり私も、ここはそうじゃなきゃ、と思う。
日常以上の日常、というか。

太田さんのみならず、この店を目指して松山に来る人はいくらでも。
「朝子さんに会うために出張を松山にしたんだよ〜」なんて
偶然隣り合った御仁は酔っ払って何度もうれしそうに言っていた。
だから「松山の宝」と書いたことがある。
酒を飲むために行く松山、それでいいと思う。
それが「日常以上の日常」ね、うーむ。

考えても仕方がないことかもしれないけど、
なぜ酒を飲みたいと思うのかという疑問がチラリと浮かぶ。
理由はきっと様々だろうし、
今日と昨日と明日のその動機だってバラバラに違いない。
ただ、ふと思い出したように「なんでなんだろう」となったときに
同時に頭に浮かぶのは、なぜか露口だったりする。
不思議なことですが。

今からようやく原稿にぶち当たるので、
ちょいともっかい考えております。
もし店の写真をもらえるなら、メールください。

--

やっぱり家でゆっくりボンヤリする時間がないと、
私の場合はいろんなことを落ち着いて考えることができないらしい。
原稿があろうが何があろうが、日曜は休むことに決めました。
実際、先週も日曜は仕事しなかったしね。
明日からまた、がんばります。

昨日は高松からのバスが渋滞で遅れたり、
新今宮から環状線を逆に乗ってしまったりと結婚式に遅刻。
こんな私ですが、挨拶はバッチリきめてまいりました。
楽しかったし感動した。
料理もおいしかったしね。
ちょいちょいと私がオススメした曲が流れたのも
なんかグッときました。
手紙もちょっと泣いてしまいましたわ。
あと、かわいいブーケもありがとう。
枯らさないようにがんばります。


感激するごと、ブレブレになってしまいました。お粗末。

いろいろと迷いはあったし
話し合って反対したこともあったけど、やっぱりよかった。
それが、マコが最近変わった原動力だとも思ったし。
相手からの想いがあったからその相手のことを想うことができる。
それが目の前で実現されたようで本当によかった。

2008/11/08

高松はもういやだー。

先週は、もうずっと、商品取材。
火曜の晩はスタッフの人らと骨付鶏の後、親分と飲みに行き、
水曜の晩はスタッフの人らとみそ汁の後、メタボな先輩と飲みに行き、
木曜の晩は親分とメタボな先輩とプチ打ち上げをして、
昨日の晩はメタボな先輩と焼鳥を食べた。
ま、私はかなり心労がたまっていると見えるらしく
親分にもメタボな先輩にも最大限に気を遣われている。
前の号の訂正にはもう関わっていないけど、
ひとりで取材に立ち合っているから
ダイレクトに「これ、こういうふうにお願いしたんだけど、
どうにかなりませんか」てな訂正依頼をいただくことも。
そもそも色校以降の訂正系統が統一されていなかったので、
「あれれ、直ってないやん」というのも見せられる。
中には私が指示してどっかの指示系統に乗せたつもりが
そのままスルーされてるのとかもあって、
素直に「あれ、なんでやねん」なんてボソリと出てしまったり。
そうやって聞いたモノが今どういう状態にあるのかもわからずだし、
(すでに下阪してしまったヤツもあるし、念校が出てないのもあるし)
チョコチョコと聞いた訂正を指示して直したとしても
データのやり取りがかなりややこしくもなっているので
正規ルートに乗らずに、訂正前のままデータが流れてしまう可能性も大。
確認事項多すぎることこの上ない。
それ以前に、取材をしているスタッフに、
直接「直してください」とか言っちゃう向こうさんの
行儀の悪さ、節操のなさに付き合いきれないとこも。
そんな調子で取材が進むもんだから、実際、疲れた。
もう勝手にしやがれ。

取材自体は順調に進行。
商品に関する質問やページの切り口に対する質問を
積極的にやってくれたのは本当に助かった。
それって当たり前っちゃ、当たり前のことなんだけど。
クライアント様方もボンヤリと前回のやり取りと比較してご満悦の様子、
とりあえずファーストコンタクトはオーケーかと。
こっから先がしんどいことこの上ない。
ハードルはおもっくそ上がってしまっているので、
来週出すミニラフにしても、その次に出すラフにしても、
現実的なものじゃないとかなりヤバイ。
そこまで情報とテイストを落とせるか…てのが楽しみだけどヒヤヒヤする。
ともかく来週頭にもっかい打ち合わせ、
ようやく決まった撮影部隊とも初顔合わせにして早速の現実的な話に。
どこまで話を落とし込んでいけるんだろう。
はぁ〜、早く解放されたひ。

今からオーサカ帰ってマコの結婚式でござい。
挨拶って何を言えばいいんだ??
明日はたっぷり原稿に沈んで、
月曜はまた高松、火曜は大阪、水曜は新件の打ち合わせ。
あー、さすがにしんどい。

2008/11/03

さとみん、胸いっぱい。

ミナミにいれば人に会う。

昨日はアングリーアイとデートのつもりが
知らん間に参加者は増えていて、
ドラムのアベさんに、
あとはミナミホィールに東京から参戦の青空ドライブ篠原くん、
(おぎやはぎの深夜番組のタイトルテーマを演奏中。
今度1stアルバムリリース!)
高知出身のイカすDJササさんも同じく東京から。
元モデル、現社長秘書のベッピン久美子ネエも交わり、
今ノッてる酒場、ササヤにてビールにワインにハチャメチャに飲む。
つーか半分以上は初対面なんすが、
ササさんとはとにかく高知コトバでなじりあい。
お得意のグルーミング(毛づくろい)的
コミュニケーションで初対面感はゼロ。
天才ドラマーの含蓄あるモノヅクリ論も冴え、
合間で入ってくるミナミホィールのメンツのゲスト具合も、
ゴキゲンすぎる豚の炭火焼きに
味濃いナマ野菜もイチイチ場を盛り上げた。
ゴキゲンすぎるぜっ。

ゴキゲンな飲みを進めていたとこで天王寺の野球好きこと
浪花のチーター、ホルモンライターの松本さんから呼び出しをいただき、
全員引き連れてドブ六九。
ササさんの音源に、アングリーアイのジグザグガールズと、
ホルモン伝道師であり、プロレスラーでもあるバーは音堪能の場と化し、
その脇で喋る松本さんの街話もそうとうキテる。
イヤ、ゴキゲンにもほどがある。
やっぱミナミサイコー、ミナミナンバーワンやろ。

そんなこんなで、もう胸いっぱい。
飲めもせんのに最後にジェットへ漂着し、
飲めないからものの30分で帰路に着く。
はぁ〜、飲み過ぎですな。

先ほどまでニコにて撮影、
のち、来週の結婚式に向けての準備をしてメキシカンファミレス、
もっかいニコ、そこで山口ストアーのぐっさんやら
高山さんに会って、ガハガハと笑い泣き。
ケンタローさんとはあってはいかん話で最後盛り上がり、
つーかそれは、個人的に話し合いたい議題っすわ、と。
で、ナマズ。
ジョンが入って1周年、チーママと化したジョンをなじって帰宅。
明日は朝イチで高松ですわ。

2008/11/02

男より男らしいゲイって。

ミナミで取材2軒。
ジュニアくんのミューズと、まーくんのゴールデンボール。
音で言えば、一方はジャズの流れるカリブな店、
もう一方は歌謡曲のピンクなゲイバーと
立て続けに回るにはあまりに真逆なバーふたつ。
しかし同じように普段回遊している店でもある。

ミューズは忙しそうだったために、
撮影が終わってほんの少し飲んで店を出た。
カメラのエレファントタカ曰く
「今日は朝からどうやって撮ったらいいのかずっと悩んでる」との
ゴールデンボールにそそくさと向かう。
タカさんは自称・下戸。
酔っ払った姿は見たことがない、というか
いつも飲んでも1杯か2杯でやめてしまうので
その自己評価が正しいかどうかは知らない。
店の取材はしても、外で飲んでいる姿は想像できず。
だからゴールデンボールに対して
「あれから(いっしょに取材に行ってから)、
何回か来たんですよ」と言われたときにびっくりした。
店はあまたあれど、よりによってゴールデンボールか。

ミナミの中でもギョーカイ人率ナンバーワン、
元アイドルや芸人の姿もチラホラのこの店、
ミナミの輩も「や」の付く職業の人も姿を見せる。
黒い壁には龍のイラストがデカデカと、
カウンターを飾るのはいかがわしきグッズたち。
そこを仕切っているのはゲイでピンクのトサカのまーくん、
飲めるのはお世辞にもバーテンダーの作るおいしい酒とは言えず、
だから私はいつもそこでハイネケンの缶をいただく。
“酒場慣れ”していない人にはたぶんキッツイ店。
よりによって…の気持ちはラクに察することができるだろう。
私もミーツで働かなければ行かなかったと思う。
私らミナミの界隈生息人にとってはまーくんは母親的存在。
「男より男らしい」とかいう頭がこんがらがりそうな
チグハグな評価をする人も多い。
私もそれを提唱するひとりで、
あとはそろそろ還暦のジミーちゃんやポポさんやら、みんなそう言う。

ヒントをあげようと、たぶんそういう話を書くよと言うと、
「いやね、まーくんて、懐が深いんですよね」とタカさん。
続けて「だからヘンな客に来てもらわれてもイヤだし、
かといって元気のない写真もまーくんらしくないし…」
と道中から延々と悩み続ける。
店に入って準備をしながら、またも悩み始めるタカさん、
「全然降りてこないんです…」と悲しそうに言いながら
ついにはカウンターに座ってビールを飲み始めてしまった。
しばし歓談。
あーでもない、こーでもないと言いながら、
冗談のつもりで「ピンクレディ踊ったら?」と言ったら
「あ、それいいですねぇ」と盛り上がって、
ようやくアングルが決定した。
よかったよかった。
夢中になって撮る姿を、知っている人ならば想像できるだろう。
どこまで近づくねんてくらいまーくんに近寄り、
まーくんもそれに応えて夢中で踊り、
周囲の客はいっしょに踊ったり手を叩いて笑ったり、
そんな写真が撮れた。
「やっと降りてきました」とニコニコのタカさん、
「これ、表紙にしてほしいですね」といつもの厚かましい口調も戻り、
もう終電を過ぎてしまって高槻に帰れないというのに
ビールをさらにもうひとつ飲んでいた。

そういえばその後にニコに行けば
常日頃からふつふつと血を煮えたぎらせている
アッツき男・まっちゃんの送別会をやっていて、
シュンゴ兄ちゃんやらスタイリストの沢田さんにも会って、
ワキアイアイと飲んでしまいました。
ミューズに戻り、最後はHBH。
昨日もよう飲みました。
今日はアングリーアイと久しぶりの会談。
明日はキミヒコ先生とニコ取材。
いやー、水をえたサカナのように…とはここ最近の私のことですかな。

2008/11/01

大阪に住んでいる。

お初天神にて取材。
取材というか、ほとんど撮影だけなんですが。

インスパイアには、ミーツにいたころは特にだけど、
店がもう終わりかけの時間にお邪魔することが多かったりする。
客が私ひとりになると、とりあえず先に勘定だけを済ませ、
ユウジは店を片付けをして服を着替え、横に座って飲む。
ユウジはたいがい店の営業で酔っ払っているので、店の話でアツくなる。
話にアツくなる、とは言ってもそれは本当に静かな変化で、
酔っ払いながらもひとつひとつ確認するように言葉が出てくる。
最初にそうやって話を聞き始めたのは店が4年目ほどのことで、
「お客さんて3年周期で帰ってくる人がおるんやなって思った」
と言っていた。

一度「飲みごろ、飲まれごろ」に書いたことがあるけど、
カウンターに座っているこちらにも
ユウジの静かなるノホホン具合は波及することがあって、
ボンヤリと考え事をしている間に、
隣に別の客が座ったことにすら気づかないことすら。
そんなだから、ユウジから「また来てね」なんていう台詞が思いつかない。
むしろ「帰ってきてくれたらうれしいけど、
帰ってこなくてもいい。それはお客さんの自由」
なんてことを言ってしまうユウジの店はあったかい。
3年ごとに店に来る“常連さん”がいること、
私にとっても「帰って行ける場所」であってくれること、
そのことにいつも感謝する次第。

昨日の取材は9時半にスタート。
お客さんが来るのをのんびりと飲みながら待って、
キミヒコ先生も2杯ほどうれしそうに飲んで、
オイルサーディンを食べて(そういえば、撮っておけばよかった)
撮影をし始めたのは11時くらいだったか。
撮影が終わって、まだもう少しずつ、名残惜しむように飲んで、
キミヒコ先生が帰って行ったのが1時過ぎくらいだったか。
私はそれからもまだ飲み続け、
気がつくとお客さんは誰もいなくなっていた。
2時半を過ぎたころ、ユウジはボツリボツリと片付けを始め、
いつものように横に座って飲み始める。
私はハイボールとシェリーを行ったりきたり、
ユウジはジントニック。
その間にひとつした電話でなんだかやりきれない気分になり、
ユウジにそのやりきれない感じを話した。
どんな話もフワリと軽く空気といっしょに流れていく。
やりきれなさは残るものの、
残る感情の全てが悪いものではないと気づく瞬間がある。
私はいつもその空気に救われる気がしている。

考えてみれば、インスパイアに行っている年数と
私が大阪に住んでいる年数とは同じだ。
T氏に連れられて初めて行ったときに「3年目です」と言っていて
今、店は8年目だから、私は大阪に5年いることになる。
西日本最大のターミナル街・梅田は商業ビルが立ち並ぶ。
あんまり縁はないけれど、キタの匂いは、
本当はインスパイアみたいな路地の中の店の、
静かで求めすぎない匂いなんじゃないかとちょっと愛しく見えた。

3時半を回ってようやく腰を上げて、ミナミに戻るとする。
ニコに顔を出し(送別会のために、すぐにカンバンだったけど)、
ナマズで飲んだ暮れつつぐっさんに取材を改めてお願いして、
最後にうさぎでようやく食べ物にありつく。
(ケンジさんが偶然にもおりまして、よう喋った。
リョンリョンと似たオンナがいた)
その頃はすでに6時を回っていたから
ボンヤリと「これってすでに夕ご飯じゃなくて朝食やな〜」なんて思った。
今日はミューズとゴールデンボールを取材。
これもまた取材というよりも撮影という感じで、
書こうと思っている話を確認するだけなんだけどね。

あまりにも高松滞在が多いので、
母から「もう高松に引っ越したら?」とまで言われてしまったけど、
高松に住めば、ミーツからこういう嬉しい仕事をもらえなくなるし
(仕事を一生懸命するほど赤字、もう、趣味と言い切ってしまいたい)
大好きだと思っている大阪の街の匂いが遠ざかるのは寂しい。
意地でも引っ越さない理由はそれしかないんですが。

しかし、おかげさまで今日は昼過ぎに起床。
せっかくのバスケには参加できず。
それが残念ですね。