2010/11/15

こっちの水は甘いよ。

相変わらずな毎日ですが、
相変わらず、あるんやらないんやらわからん仕事と格闘し、
相変わらず、やるんやらやらんやらわからん勉強をしている。
とにかく、生きていく、ということがテーマ、
つーか命題なので、そのことが先行では、ある。

書いてない日々も、進んでいないわけではない。

クルマイスの仕事は運良く取れてしまったし、
しかしながら、相手にとっては「まさかこんなことが」
というような提案だったわけで、
言い出しっぺでやらなきゃいけないながら
予算が下りるまでの保留の期間があまりにあり。
(というか来年の3月なんて!眠って待っても余りありすぎる!)
…中途半端な責任感も禍いしている。
そうこうしているうちに、
他の仕事も取れていくのがおもしろくないわけもなく、
あの日の決意は「とりあえず置いといて」となることが今はとても気がかり。
流れのままに、とは思えど、いやはやいかに、である。

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自分のことが大好きで、転生により永遠の命を生きる雄猫。
1匹の雌猫と出会い、子を育て、雌猫の死で初めて泣き、命を終える。
33年間で170万部を発行した絵本「100万回生きたねこ」の作者、
佐野洋子さんが乳がんで亡くなった。

随筆集「私はそうは思わない」の中で、佐野さんはこの絵本を、
1匹の猫が1匹の猫と巡りあい子どもを産み死ぬという
「ただそれだけの物語」だと振り返る。
それは佐野さん自身の願いだったが、この絵本が売れたのは、
多くの人が、ただそれだけのことを素朴に望んでいる
という事なのかと思わされた、とも。

本音、毒舌、温かさに冷静な観察眼が味わえる随筆には女性の愛読者が多い。
自らのがんも公表していた。
抜け毛をテープで集めつつ虫捕りに似た達成感を楽しむ。
飽きると丸坊主にし「これほど似合う髪形はない」。
余命を告知されると、長生きに備えた貯金で外車を購入。
テレビ嫌いが韓流にものめり込んだ。

「死んだらもう金いらないんだよ。金の心配しなくていいだけでもラッキー」
と友人に話した。
何かを手に入れることと何かを失うことは表裏一体。
そんな潔さが作品からも、老いとのつきあい方からも垣間見える。
70歳で死ぬのが理想と語った作家が、
子どもたちや女性に感動と元気を与え72歳の生涯を閉じた。

※日本経済新聞 平成22年11月7日 春秋より

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今が踏ん張りときだ、なんてことはよくわかっているものの、
どの辺りに足突っ込んで踏ん張ればよいものなんでしょうか。
たくさんの生き方があるんだろうけど、
はっきり言って、そのどれかにあてはまるのかも
あてはめようとしたいのかも、なんだかどうでもいい。
今さらながら「自分探し」なんてスカしても言えず、
私はただただ立ち止まる。
「いっそ、“こっちの水が甘いよ”と手を引いてくれればいいのに!」
そこの水が甘くなくても、もう何も言うことはない。
でも、できれば甘い水を飲みたいと思ってもいることに、
ただ、うんざりとしてみるフリをしているだけだ。

あー、今日は酔っぱらった。
結果がどうだったか、あるのかないのか、
人に聞かずとも、答えは自分がわかっている。