2013/03/13

プライバシーはメダカにも。

けっこう、めんどくさいのであります。














近所のホームセンターでウィローモスを買って
メダカの水槽に浮かべてみたら、
水槽中をグルグルと、所在なさげに泳ぐ姿を見なくなったので、
きっと、居心地がいいのだろうと思う。
今度はミニチュアの土管を買ってきて沈めてみたら、
各々、自分の居場所を定めて留まるようになった。
ある程度の仕切りや隠れるポイントはメダカにも必要ならしい。

2月に孵化した子メダカは、ただバケツにドボンと入れて
日々の水換えをしていただけだったけど(でも、それがたいへん!)
親メダカの環境を見習って土と水草を入れてみた。
今日はちょうど1週間。
バケツ内循環ができるようになったら
水換えの量も少なくて済むし、それに、何より彼らは元気。
やっぱり子メダカにも快適な住環境は必要なようです。

--

第3の目を持つサイボーグ
「僕は頭蓋骨で色を“聴く”」

「サイボーグ財団」の本部は、
スペイン北部マタロー市郊外のビルの中にある。
財団の目的は、身体になんらかの電子装置を取り付けたいと
考えている人を支援することだ。
“インキュベーター(培養器)”と呼ばれるそのビルの一室にいま、
サイボーグのニール・ハービソンはいる。
ハービソンは、額の前にぶらさがる“第3の目”で私のことを見ている。
それは一種の電子装置で、うなじのあたりにあるチップに
オーディオケーブルでつながっており、
チップは頭蓋骨に圧力をかける仕組みになっている。
“第3の目”は、実際には「色」が放つ光の周波数を読み取るセンサーで、
その情報はチップで「音」に変換され、頭蓋骨を伝って脳に到達する。
この装置のおかげでハービソンは
他の人にはない“色を聴く”という新たな感覚を持つに至った。

どういうことか順序立てて説明しよう。
ハービソンの目に映る世界はモノクロだ。
つまり彼は、色覚異常を患っているのだ。

(中略)

私たちは腹ごなしに、マタロー市内をしばらく散歩しながら、
街の色に耳を傾けた。その後、ハービソンの自宅に向かった。
そこは真新しいワンルームの空間で、ベッドを置くロフトが付いている。
いまのところ、赤い床以外はすべて、白と黒のペンキで塗られている。
だがハービソンは今後、いい音がする色を加えていくつもりだという。
床を赤にしたのは、赤のファの音は、周波数が最も低く、
前述したように最も安らぐ音だからだ。

「完成したら“音とりどり”の部屋になる予定です。
きれいに見えるようにではなく、
きれいに聴こえるように仕上げるつもりです。
ロフトは寝室なので何も聴こえないよう、音がしないモノクロに。
それと、天井が鳴らないようにするのも重要なポイントです」
ーー扉はどうするのですか?
「緑に塗ります。出かける前には緑を聴くといいんですよ。
緑は現実を捉える感性を研ぎ澄ませてくれます。
音楽家がコンサートの前に、ラの音でチューニングするのに似ています。
緑は、赤から紫までのスケールで真ん中に位置する色なんです。
それから台所には、要所要所に紫を使います。
紫は警告色で、食べ物にはあまりない色ですから。
洗面所は多色使いにして、メロディが鳴るようにしようと思っています」

長時間ハービソンと一緒にいると、
暗示にかかりやすい人だと幻聴が聴こえてくるかもしれない。
いずれにしても、いろいろなモノがどう聴こえるのか、
訊かずにはいられなくなる。
というわけで、日が暮れると私は、
「カルフール」に連れて行ってほしいとハービソンに頼んだ。
そしてやってきた巨大スーパーの
掃除・選択用品コーナーに着いたその瞬間、ハービソンの目が輝いた。
目の前の棚には洗濯洗剤、柔軟剤、漂白剤、
ワックス、ガラスクリーナーなど、
ありとあらゆる種類の洗剤と掃除用品が並んでいた。
「見てください、見てください」
ハービソンは、洗剤の容器を手に取ってはこう叫んだ。

「ファ、ソ、ラ、それからファのシャープ……。
この液体洗剤はずいぶん低音だ。赤紫に近いバラ色ですね。
このコーナーにはすべての音が揃っているから、作曲だってできますよ。
僕がこの売り場の担当者なら、
商品を並べ替えてメロディが鳴るようにします。
スーパーは素晴らしい場所ですね。
森なんかよりずっと楽しい。森はとても退屈ですから」

乳製品とワイン売り場はほとんど音がしないので
さっさと通り過ぎ、青果売り場で立ち止まった。
不足している音がいくつかあるため、
洗剤売り場ほどではないにしろ、そこも賑やかな音がした。
「なかなかいい音色がします。
でも、青とターコイズブルーがない。僕が好きなのはナスの色です」
そう言ってハービソンはナスを一つ手に取り、
まるで近視であるかのようにじっと見つめた。
「ナスは一見、黒っぽく見えるかもしれません。
でも実際にはとても濃い紫で、ミに近いレのシャープの音がします」

スーパーを出て、私が宿泊するホテルに向かう途中、
ハービソンはこんな話をしていた。
色が見える人は、黒、白、灰色を、
実際はその色ではないのに、よくそう呼んでいる、と。
「たとえば人の肌には、白も黒もありません。
黒人の肌は、実際には暗いオレンジだし、白人の肌は薄いオレンジなんです」

『COURRiER Japon(2012 JUNE)』
「君は『スーパーヒューマン』を見たか」(Text by Juan José Millás)

--


うちのメダカは現在11匹。
ガラスのラージボールに8匹と、
小さい金魚鉢に3匹、いずれも室内。
ホームセンターで買ったヒメダカが3匹と、
メダカ専門の店(@東広島市)で買ったのが8匹。
年末ごろから産卵が始まって、
そのうちの7割ほどが孵化して80匹近くになっていたのに、
でも、センター試験が終わったころには10匹ほどに。
また産卵したので2月から育てているけど、今また80匹くらいか。

そんなに殖えてもねぇ、という気もするけど、
なんというか、育たずに死んでいくのを日々片付けるのは
やっぱりちょっと胸が締め付けられるものがある。
目指すは、極力、私が手をかけなくてもいいくらいに
水槽やバケツ内で循環する環境をつくること。
窒素やら酸素やら、なんやらかんやら、
生物の教科書はけっこう役に立っているのでした。
さて、今度はどうでしょう。

0 件のコメント: