帰ってくるのはツーリスト
帰ってこないかもしれないのはトラヴェラー
青春の旅はエコノミーだけどトラヴェラー
(翼の王国2003年8月号/青春のタラップを駆け上れ! より)
--
それでもまだ私は青臭い。
そして流れは私をどこに持っていくのか
未だに何もわかっていない。
--
三三五五、人が集まってくる。
ブドウの蔓の束を担いでくる人、風呂敷包みを抱えている人、
バッグから飛び出すほどたくさんの材料を持ってくる人。
あっという間に10人を超え、
生活工藝館の一室は、徐々に工房へと変わった。
床に円座を敷いて、好きな場所に座り、思い思いに作業を始める。
雪深い国、福島の三島町に暮らす人々は冬から春まで職人になる。
「こんなん作ってみたよ。この間とここが違う」
「いい草だねえ。色がきれいだねえ」
「ところで、お宅の孫、就職どうなった?」
「畑で大きなカブが採れたのよ」
お国言葉は難しいけれど、きっとこんなことを話しているに違いない。
おしゃべりは途切れない。
編む手も止まらない。
たまにお互い顔を見合わせて笑い合い、また、編む。
10時になって、ひとりふたりと立ち上がった。
編む手を休めて煙草を吸う。
お茶をいれる。
みかんをむいて、梅干しをつまむ。
編目は、全部記憶している。
そうして、誰かが編んだマタタビのかごは、
すました顔でわたしに買われていった。
(翼の王国2005年5月号/あむふうけい/文:鶴家桃子 より)
--
高松でカタログを作り始めた。
それと同時に雑誌の取材もいくつかもらって
なんだか急に忙しい。
忙しいと、時間の取捨選択をしなければいけない。
あきらめる時間、いくつか。
やらなければいけない時間も、いくつか。
目をつぶる時間、いくつか。
見開いて物を言う時間もまた、いくつか。
結局は全てが流れのままにしかなっていないような気がする。
どこに行くのかわからないけれど、
それでもいいかと思う。
毎日をどう過ごすか。
じっくり考え事をしたり何も考えなかったり、
食べたい物を食べて、飲みたい物を飲んで、
話したいことを話したい人に話して、
観たいものを観て、聴きたいと思うものを聴いている。
流れのままにしかなっていないように見えて
実は「こうしたい」と思う以外に流れを決める術はない。
そんなことを思いながらもまた、流れていく。
それでいいと、また思ったりする。
--
西江流旅の極意
一つ、当たり前の世界に勘をとぎすませること
一つ、夢と現実を区別せずに、夢を語ること
一つ、最良の学習法とは、他人に教えること
一つ、他人は宝
一つ、出発は小さな包みをつかみ、体を持ち上げ、歩きだすこと
一つ、名前だけから推測して食べ物を注文することは、ハズレが多い
一つ、自分は一つの生き物にしかすぎない
一つ、馬鹿同然のことに、馬鹿げた努力でかかわってみること
一つ、獣や鳥や虫のように“今”を生きる
(翼の王国2003年8月号/青春のタラップを駆け上れ! より)
--
追記。いや、ウミちゃんへの言い訳。
しかしながらこの暑さ。
そして休みなし(土日は強制的に休みたい)、
睡眠不足(土日は強制的に眠りたい)、
今週からの旅雑誌取材&高松長期出張に備えて
週末の東京行きは断念。
原稿なんてもんを考える気分にもなれず(すまぬ)、
仕事で着るための服を買いに行き、
長期出張のための鞄を買いに行き、
『マジックアワー』を観て、
家に帰って『スジナシ』を観ておりました。
ようやく原稿に取りかかったのは4時前、終了は5時前、
なぜかブログを書いて床に着いたのでした。
起床は7時、案件のおさらいをして出発、9時から打ち合わせ。
睡眠不足は悪循環に続いております。
そして、7月中に東京に行くのはたぶん無理。
今から粉モン取材です。
とにかく食います。
いや、欲望に負けてんのが原因、あわわ…。
0 件のコメント:
コメントを投稿